『整形水』感想

こんにちは。

昨晩『整形水』を初めて見た。寝る前に何か見たいと思って、おススメの1番に表示されたこのタイトル。いつも寝る時間の1時間位前だったので、途中まで見て寝ようと思っていたら怖すぎて気づいたら最後まで。これはなんというジャンル?と思って、公式サイトを見たら韓国の整形サイコホラーだそう。

あくまでも個人的な感想だけど、見終わった後味の悪さがやばい。悪夢を見そうでなかなか寝付けなかった。見始めた時は、主人公の女性イェジの拗らせ具合と性格のヤバさに見るのやめようかと思ったけど、外見至上主義の国で、お世辞にも美しいとは言えない容姿のせいで自分の実力さえも正しく評価されない。どんな努力も外見が悪ければ無駄になるなんて、そりゃこじれるわ。

※ここからネタバレあり注意※


芸能人のメイクの仕事をしているイェジは、担当の美人芸能人ミリに罵倒されながらも暴飲暴食をする毎日を送っていた。TV局でのある出来事をきっかけに部屋に引きこもるようになるが、整形水(30分これに浸かると顔も体も簡単に整形できる、時間を守らないと肉がドロドロになる恐ろしい液体。この辺はちょっとファンタジー)を手に入れて、コンプレックスだった容姿を完璧なモノに変えた。

コンプレックスはなくなり、欲望に忠実になった彼女。名前をソレに変え、金持ちの男をとっかえひっかえ、かつて一緒に仕事していたキムにスカウトされ芸能人になる。
ある日街中で、スポーツジムに入っていくジフンをみかけた。ミリの楽屋に新人だと挨拶に来たイケメン。かつての自分が惚れた、自分の瞳(イェジの瞳はピンクと黄色のグラデーションみたいになってる)をキレイだとほめてくれた、おそらく唯一の人。彼女の親すら気づいていなかった美しさに気づいた彼。

スポーツジムで偶然を装い、自分は芸能事務所の後輩だったと嘘をついてジフンに接近する。ジフンに誘われ食事に行くと、今は芸能人を辞めて会社をやっているそうで彼女もいない。ソレはチャンスと思い告白、交際することに。順調に交際をかさね、プロポーズされ家にも招待されて幸せの絶頂!

かと思いきや、ソレはジフンの家で彼の正体を知ることになる。
ジフンの部屋で整形水と沢山の女性の身分証を発見したソレは恐怖を感じ逃げ出そうとするが部屋から出られず追いつめられる。ジフンはソレがイェジだということも気付いていた。美しい瞳をみてすぐにわかったと。ジフンの家に案内されて見た家族写真、美しい家族と一人だけ醜い妹。その人物こそがジフンだった。姉は美しいというだけで、どんな悪いことをしても愛される。美しいことがもっとも大切だと語る。ソレはつかまり、子供のころの自分の夢をみていた。美しくなくても両親に愛されていた過去の自分。


この時点で大分アレだけど、ここから先はさらに怖いので見たい方はご自身でぜひ。
内面の欲望の醜さとの対比か、映像がキレイで見やすいのがなんだか皮肉。視覚にうったえてくる怖いシーンはちょこちょこ挟まれる。イェジがやってしまったインストラクターの亡霊?とか体がデロデロに溶けたりする。でもジフンのほうが怖い。生きてる人間のほうが怖いっていうけど、まさにこれ。最初はただのイケメン、なんなら外見至上主義の人達に冷たくされてきたイェジにも普通に優しく接してくれる良い人に見えた。再会の後からは、なんだかちょっと不気味な感じで裏がありそうだとは思ったけど、なにかはわからなかった。最後はもう見た目にも精神的にもグロいし怖いし、声優さんの演技もさらに恐怖をあおってヤバかった。自分の一部となった顔に語り掛けながらメイクしている所はマジで恐怖。見たくないんだけど、目が離せなくて最後まで見ちゃった。


イェジは個人的には理解できる部分もあってなんともいえない気持ち。この作品は容姿が重要な文化の国で作られたから、よりそういう部分が強調されてるんだろうけど、日本だって外見至上主義の人は多いよね。それが良い悪いはおいといて。そういうところで嫌な思いをたくさんしてきたイェジは愛されたい愛されたいで暴走し、整形水を手に入れるために色々悪いこともしてしまったけど、さすがに最後はほんのちょっぴりだけかわいそうになった。ちょっとだけね。

あと最後のオチとして何気に重要人物なキムについては、嫌な奴だ位にしか思いませんでした。これから毒牙にかかるであろうジフンのお姉さんもまあ別に。考えさせられるし、人を選ぶ作品だなーと思いました。ドキドキしながら見れるし面白かったけど、また見たいかといわれると遠慮したい。

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